ファッションをかんたんに。Process:14


私たちはなぜファッションを楽しむのでしょうか。

服の本来的な役目とは、身を覆い、守ることにあります。それから長い時をかけて民族固有の文化が生まれ、服は自分を表現するツールとなり、やがて「社会をうつす鏡」と言われるほどファッションは普及しました。


今はこれまでのどの時代よりも、すべての人がファッションを自由に楽しめる時代です。

社会は個性に寛容になり、ファストファッションのおかげで洋服の値段は格段に下がりました。そして、人はたくさんの服を買うことができるようになって、街を歩く人々はいっそうおしゃれになりました。


しかし、それと同時に、若い頃からファストファッションがあった世代が大人になり「何を着たらいいのかわからない」と言う人が増えてきています。


これまでは若さだけでどうにかなっていた装いも、一定の年齢にさしかかってくると、ある程度上質な洋服を着ていることはマナーであり相手に対する礼儀にも関わってきます。

また、ファストファッションを着て育ってきた人たちが経験を積んで、大人になった自分の顔つきや雰囲気に着ている洋服が負けてしまうことも多くなってきます。


そこで洋服に興味がなかったり・コーディネートを組むことに自信がないと、一歩を踏み出してみたり・安くないお金を支払うことに抵抗が生まれてしまうこと。

特に普段スーツを着るお仕事の場合だと「もう普段着はどうでもいいや」となってしまう気持ちもよくわかります。


しかし、上質な素材の洋服に袖を通して計算されたコーディネートを装い、街を歩いたり人と会ったりすることは思った以上に自信がわき、おのずとポジティブな気持ちが生まれてくるものです。

そして、そういった高揚感を日々もって暮らすことが、淡々と繰り返す日常にひとつのたのしみを与えてくれるという部分が間違いなくあると、私たちは考えています。





そこで、Itheの製品は、ファッションや服が好きな人にはもちろんですが、自分のファッションに対して思い入れや、コーディネートを決めることに自信のない人こそ着てみてほしいと、スタートした当初から社内で話していました。


Itheの製品は、基本的にどの洋服どうしを組み合わせても違和感のないよう設計されています。それは、「日常の制服」というコンセプトを私たちになりに噛み砕いた「コーディネートがしやすく、かつファッションとしても魅力的である」という考えからなります。


「日常」と「制服」というふたつの言葉からは「私服の制服化」といった、いわゆるミニマリスト的な提案を思い浮かべることが多いかもしれません。


私たちが提案したいのは「必要最低限の洋服しか持たずに同じ格好をし続ける」ということではなく、着回しのしやすい統一された雰囲気のもの・それも余計な装飾のない普遍的なデザインのものを揃えることで、ファッションを楽しみながらコーディネートを考える煩わしさから抜け出そうということです。


つまり、なにも考えなくとも手近にある洋服を合わせるだけで計算されたコーディネートになるというのが、Itheの目指すところ。そしてもちろん、長い歴史を乗り越え愛されてきた普遍的なデザインはファストファッションをはじめ、他のブランドのお洋服とも合わせやすくもあります。

すべての洋服をItheにしてしまう必要はありません。しかし、「ベースとなるファッションがあらかじめ決まっている楽さ」というのは、ファッションが好きな私たちにとってさえ、呪いから解放されたようなすがすがしい気分になれるものです。


フランスの小説家バルザックの言葉に、「粗野なものは身を覆う。愚か者は身を飾る。 エレガントな者は装う。」というものがあります。

その言葉を借りれば、私たちは製品のデザインをしているのではなく、「装いをデザインしている」といった方が正しいのかもしれません。


もっと、世の中のファッションをかんたんに。


「日常の制服」とともに高揚感のある日々を送っていただけるよう、今年もItheは活動を続けていきます。

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