「歴史によってつくられてきた文脈」まで、私たちにはつくれない。Process:04


例えばいま、私たちに「リーバイスの501」は作れるのでしょうか。

デザインや技術から言えば、おそらくできると思います。

しかし、それで私たちが「リーバイスの501」を作ることができたとしても、それは「リーバイスの501と同じかたちのデニム」になるだけです。

そして、そのふたつがお店に並んでいたとしたら。

私たちが選ぶのは多くの場合、「リーバイスがつくったリーバイスの501」になると思います。



私たちが名のあるブランドのものを買いたくなるのは、そのもの自体のデザインや機能だけでなく、そのブランドの価値観や、これまでの歴史によってつくられてきた文脈に魅力を感じているから。

ときどき、ヴィンテージのデニムに数十万円の値段がついていたりして、おどろくことがあります。

それもそのデニム自体にそれだけの価値があるのではなく、そのものにまつわる歴史や、今の時代まで残っている希少さから、そういう値段がついています。



諸説ありますが、リーバイスのデニムの原型が生まれたのは、今から150年ちかく前、1870年までさかのぼります。

そして、1890年に「501」というナンバーをつけられたモデルがはじめてつくられました。

それから2016年の今までのあいだ、私たちのいう「日常の制服」として多くのひとに愛されてきたからこそ、今の「リーバイスの501」があります。



だから、私たちには「リーバイスの501」はつくれない。

歴史によってつくられてきた文脈まで、私たちにつくることはできません。

今を生きる私たちにできることは、そういった「日常の制服」がこれまでにつくってきた歴史や、その文脈を受け継いで、次の時代のために更新していくことだと思います。


私たちにリーバイスの501はつくれないけど、私たちはリーバイスにつくれなかったものをつくれるかもしれない。

「今の時代だからこそつくれるもの」こそ、いま必要なものだと思います。

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